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29歳転機説とクロノクレーター(1)

鑑定モニター様へのお返事が遅れておりまして、最後の方にサターンリターンについてのご質問に答えていたら、うっかり年齢域から初めてしまい、すんげ長くなったのでその部分だけブログでお返事することにしました。

占星術に興味がおありなら、年齢域とかクロノクレーターといわれる考え方をご存知かもしれません。

簡単に説明します。わたしたちは、10個の惑星を自分の中に持って生まれてきます。その10惑星には、それぞれその惑星に適した成長の時期があります。これを惑星の発達年齢域とも言ったりもします。

おおざっぱに区切ると、こんな感じです。
幼児期(月)→学童期(水星)→思春期(金星)→青年期・社会人デビュー(太陽)→大人として成長期(火星)
→発展期(木星)→成熟安定期(土星)→晩年期(天王星・海王星)→あの世?(冥王星)

三重円を見るのはまだちょっと・・・という状態でも出生図だけで、人生を時期ごとに惑星でリーディングできますので適宜ご参考に。トータルに人生全体の流れをつかむためにみておくのはわりとおすすめです。


たとえば、月の年齢域には月を楽しみ月を味わい、月を経験し尽くすことがとても重要なことになります。月はとくに感情や、精神の安定にも関わり、人格形成の根幹となる惑星なのですが。この月の時期がないがしろにされたままで成長してしまうと、おとなになってから未消化の体験が問題となり現象化する、というようなことがおこりがちです。スピリチュアルでよく言われる、インナーチャイルドを扱うセラピーなどが、月、あるいは水星の年齢域のテーマにあたります。とくに月は自分では意識しにくい部分なのですが、占星術を知ることで意識化の助けになります。

月と同様、問題化しやすいのが金星、火星かなという気がします。金星の年齢域に金星体験をしっかりやっておかないと後の木星期や土星期に若いころを思い出して趣味や恋愛に走る、というような金星のやり直し体験をしたりということがおきたりします。火星は、あらぬところで怒りを爆発させて周囲も自分自身も困惑するような事態がおきる、または反対に活力を失い、とくに理由なく怒りっぽいひとに迷惑をかけられる、など。

太陽が弱いと人生の方向性が定まらない、土星が弱いと自分の最終目標、人生の到達点が描けない・・・というような感じになるいわゆる自己実現、自己の完成、ユング先生の言う個性化とか、自己の統合化ということを考えた時に、やり残した惑星の成長期があるのは望ましいことではありませんし、弱いところがあれば他者のアスペクトを受けたりして、強化することを考えるのもひとつの手段。せっかく生まれてきたのだから、利用できるものは利用して、目のまえのものから逃げることなく経験しつくしましょう。

わたしたちは目の前のモノから逃げ出すことばかり考えて、ないものねだりばかりしてしまう。でも、いずれそれにも飽きが来ます。逃げる体験にあきたら、つぎは追う側になりましょう。


惑星の年齢域
0-7歳、ひとは母という月に生まれ、
7-15歳、水星という友と遊び、競い合い学びます。
15-25歳、金星で自分の趣味をみつけ恋をして成長し、
25-35歳、太陽で人生の方向性を求め社会とかかわり。
35-45歳、火星で太陽の目標に向かって飛び出し、
46-55歳、木星で社会の中でその目的を広げてゆく。
55-70歳、土星で自分を完成させて大人として人生の最終的なまとめにはいります。
70歳からは天王星、海王星、冥王星と晩年期および死後の世界を担当します。

single (3).png
宮沢賢治の出生図です。


月:おひつじ座
幼児期は好奇心旺盛の子供らしい元気な様子。
水星・金星:乙女
妹思いの手のかからない子供時代と、
礼儀正しく勤勉な青春期。


こんな感じで、年齢域をみていきます。





太陽:乙女座5度サビアンシンボル「妖精の夢を見る男」
土星:さそり座14度「仕事をしている電話接続士」
夢と現実を橋渡しして、イマジネーションに形を与え仕事にして貢献してゆく。


火星:双子座7度「時代遅れの井戸」
木星:しし座24度「身だしなみの整っていない男」
天王星:蠍21度「職務放棄兵士」
古いものを壊して自分の意志を貫きます。
それは斬新でまったくあたらしいなにか、それはひとびとの暮らしに貢献してゆく、
創造を超えた夢の様ななにか。
しし座の創造性、表現衝動をなりふり構わずひろげていきます。

金星:乙女座18度「ウィジャ盤」
水星:乙女座27度「お茶会の高貴な貴婦人」
冥王星:双子度14度「テレパシーでの会話」
海王星:双子座21度「労働者のデモ」
無意識的な領域から引き出した情報を、何らかの形で分かりやすく形を整えて人に伝えていく。
神経を痛めるほどの活発な知性。


賢治は生涯独身で、子供をつくる代わりに書いたと言ったとか。
乙女座とふたご座の90度の天体は、
女性に興味がなかったわけではなくてむしろ逆だったような。
月木星は年上の女性の保護という意味もありますし縁はあったでしょう。
でも理想はとても高かった。
そして、その理想の高さは仕事に昇華されたのかもしれません。





さて、つぎは、サターンリターンについてです。
長くなったので分割します。

by umiyami | 2014-05-11 12:21 | 語ってみる